高精度な曝露評価技術に関する研究 −数値人体モデルの開発−

数値人体モデルを用いた数値シミュレーション

VHF/UHF帯(30MHz〜3GHz)における検討

平面波曝露時のSAR解析
平面波曝露時のSAR解析

FDTD法を用いて、VHF帯(30MHz〜300MHz)およびUHF帯(300MHz〜3GHz)での平面波曝露時の人体のSARを推定しています。この例は成人男女の数値人体モデルに垂直偏波の平面波(1mW/cm²)が正面から曝露されたときのSAR分布(表面)を示しています。この図では電波の吸収が大きいところを赤色で、逆に吸収の少ないところを青色で示しています。

この解析には膨大な計算時間と大規模なメモリを必要とするために、スーパーコンピュータを用いて計算しています。

最近は、コンピュータの処理能力の向上や大規模メモリ化によって、さらなる高分解能モデル(2mm分解能以上)を用いた、より高精度な解析も可能になってきています。

携帯電話使用時の頭部SARの解析
携帯電話使用時の頭部SARの解析

頭部モデルを用いた数値シミュレーションにより、携帯電話使用時における頭部SARの詳細な特性評価を行なっています。電磁波源のモデル化に適したモ−メント法と、生体組織のモデル化に適したFDTD法の長所をいかし、電磁波源と生体との相互影響を解析するFDTD/MoM混成法を開発し、携帯電話使用時の頭部内部の詳細な電界計算を行なっています。

エレベーター内における携帯使用時のSAR解析
エレベーター内における携帯使用時のSAR解析
SAR分布(SAR distribution)

エレベーター内で携帯電話を使用した場合の人体内部のSARを解剖学的なモデルを利用して評価しています(携帯電話はダイポールアンテナと仮定)。この計算にはスーパーコンピュータを用いていますが、実際のエレベーターの大きさを考慮しているので、全体を人体と同じく2mmのブロックで分割すると、スーパーコンピュータでも計算が困難な大規模なメモリが必要となります。そこで、不均一メッシュを用いたFDTD法を利用しメモリを節約して、スーパーコンピュータでの計算を可能にしました。

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