電測車による電界強度の測定について
-
電波ばく露レベルモニタリングプロジェクトでは、電界強度測定装置を搭載した車(電測車)を用いて、全国を対象とした広範囲の電界強度測定
を実施しています。2021年度から開始し、これまでに延べ41,000kmを走行し、測定データを蓄積しています。
2021年度に測定した東京・日本橋を中心に半径100km圏内(測定距離 約15,000km)を測定した結果を紹介します。
測定結果
- ・各都県別の統計分布
- 図1は、携帯電話基地局システム(5G含む)、FM、TV帯域の電界強度分布を都県別に表示しています。 ここでの電界強度は基準地域メッシュ※1内で平均した値を使用しています。携帯電話基地局からの電界強度に比べて、FMやTVの電界強度が低いことがわかります。また、東京都は全ての帯域で他県に比べ電界強度が高い結果となりました。 但し、電界強度が最も高い地域であっても、電波防護指針※2で定める値の0.32%以下です。
- ・電界強度と人口密度の関係
- 図2は電界強度と人口密度の関係について、例として東京都と千葉県の結果を示したものです。 携帯電話基地局について人口密度のべき乗に概ね比例関係が見られます。
- ・電界強度マップ
- ・測定結果のデータを電界強度マップとして公開しています。
- ・基準地域メッシュ毎に5段階で色別に表示し、各基準地域メッシュの詳細データとして、4つの帯域(全体・携帯電話システム・5Gシステム・放送)の電界強度を数値で表示しています。
- ・全体の電界強度については電波防護指針で定める値との比をパーセントで表示します。
- ※1 基準地域メッシュ:緯度・経度に基づき地域を隙間なく網の目(メッシュ)の区域に分けて編成されたもので、基準地域メッシュは1辺の長さが1kmのメッシュサイズ。詳細についてお知りになりたい方はこちらをご参照ください。
- ※2 電波防護指針:日本では、誰もが安心して安全に電波を利用することができる環境を実現するため、人体の健康に好ましくない影響を及ぼさない電波の強さの指針が定められています。電波防護指針では、それらの作用の閾(しきい)値をもとに、十分な安全率を考慮して指針値が定められています。 詳細についてお知りになりたい方は、総務省の「電波と安心な暮らし」をご参照ください。
論文情報
- T. Onishi, K. Esaki, K. Tobita, M. Ikuyo, M. Taki, and S. Watanabe, "Large-Area Monitoring of Radiofrequency Electromagnetic Field Exposure Levels from Mobile Phone Base Stations and Broadcast Transmission Towers by Car-Mounted Measurements around Tokyo" Electronics 12, no. 8: 1835, 2023 DOI: 10.3390/electronics12081835 ※総務省委託研究「電波ばく露レベルモニタリングデータの取得・蓄積・活用」(JPMI10001)として行われました。
サイトポリシー・利用規約
- このウェブサイト(https://emc.nict.go.jp/mnt/gis.html 以下「当サイト」といいます)は、国立研究開発法人情報通信研究機構 電磁波研究所 電磁波標準研究センター 電磁環境研究室(以下「当研究室」といいます)が運営しています。当サイトの情報を利用される場合は、以下の利用条件に同意されたものとさせていただきますので、ご了承ください。
- 1.免責事項
当サイトで配信している情報は、当研究所が収集した測定データに基づいています。データセット等については万全を期しておりますが、その正確性、確実性、目的適合性その他いかなる保証もするものではありません。当研究室は、当サイト上の情報を利用することによって生じるいかなる不都合や損害についても責任を負いません。当研究室は、当サイト上の情報やデータの一部または全部を永久に停止または消去することがあります。当サイト上のコンテンツや属性(フォーマット等を含む)は予告なしに変更されることがあります。
- 2.著作権について
当サイトで提供されるすべての情報は、著作権法および著作権に関する国際条約により、日本国内外を問わず保護されています。また、当サイト全体も著作権の対象となっています。当サイトの内容の全部または一部について、私的使用のための引用・転載は、著作権法上認められた行為として、出典を明示することにより行うことができます。ただし、当研究室以外の団体が著作権を有することを示すクレジットの記載がある場合は、当該団体の著作権ポリシーに従ってください。当サイト上のコンテンツの全部または一部について、当研究室に無断で改変を行うことはできません。
- 3.リンクについて
当サイトへのリンクは自由です。ただし、当サイトのコンテンツやページがリンク元サイトのコンテンツの一部に見えるようなリンク(フレーム内に当サイトのページの全部または一部をそのまま取り込むようなリンク)はお断りします。また、本サイト内のファイルやディレクトリ構造は、予告なく変更・削除されることがあります。リンク先サイトの利用については、リンク先サイトのサイトポリシーが適用されます。なお、当研究室は、予告なしに当サイト内のページを変更または削除することがありますので、あらかじめご了承ください。